【レースレポート】神秘のバイカル湖氷上マラソン2017
テーマ:├バイカル湖アイスマラソン
こんにちは。
トレイルランナーズ大阪の安藤大です。
「バイカル湖氷上マラソン」の様子が2017年3月8日のNHK総合で放映されたそうです。みんなチェックしてますね〜僕は日ごろテレビをほとんど観ないので知りませんでした。
「シベリアでしたか~ほっとしました。」
こんなメッセージをいただきました。僕が「日本から近くて遠い。ビザが必要な国。」と話したので、最近何かと話題の北朝鮮を想像し心配いただい方もいたようです。安心してください。今はまだその時ではありません。
それでは「MARATHON ON ICE/神秘のバイカル湖氷上マラソン」のレースリポートをお届けします。
バイカル湖の底には20世紀初頭にロシア軍が横断に失敗し、今も25万人の人間の魂が眠っています。その時は猛吹雪により気温は-70℃にまで下がり一瞬で気を失うほどの強烈な寒さで、人々は歩きながら次々と凍っていき死んでいったらしい。そんな湖の上を無事に人力で縦走できただけでも良かった。これが本当の薄氷の勝利?
●2017年は32か国から200人のランナーが参加
2013年は14ヶ国150人、2015年は21ヶ国150人、年々人気の高まりがうかがえます。これが300人、500人規模まで拡大したら足元が心配。ロシア人はたった5%。ロシア人が少ないのには「モスクワからイルクーツクまで5時間。なぜ同じ国内を移動し旅行しなければならないんだ。それだけ時間があればタイへ行く」という考えになるからだそうです。
●日本人ランナーは毎年多数出場する人気
日本人ランナーは僕を含めて12人もいて驚きました。全員が日本からではなくモスクワやイルクーツクなど大企業の駐在人で恒例マラソン行事イとして毎年参加している人たちでした。日本からのフルマラソン参加者は僕だけでした。
●ハーフマラソンよりフルマラソンが人気
アドベンチャーマラソンではフルマラソンと同じぐらいハーフマラソンの人気がありますが、氷上マラソンの場合はフルマラソンが約165人でハーフマラソンは約35人と少なめ。僕の憶測ですが、ハーフは中間地点がフィニッシュでゴール後は人数が揃い次第スノーモービルで岸まで送ってもらいます。岸までは片道20分強、往復40分。もしランナーが100人もいたらそれだけ待ち時間が長くなり凍えます。主催者としてはなるべくフルマラソンの部に参加してもらって、自分の足で走ってもらいたいのでしょう。
主催者のスタート前演説が長い!ロシア語なので何を話しているのかさっぱりわかりません。会話の途切れめがわからず「いつ始まるのだろうか?」とやきもきしていたら「3、2、1、スタート!」突然スタート。
スタートからいつもと同じペースで走っているにも関わらず心拍数が高い。緊張のためか、ガーミンの心拍センサーの動作運動範囲は−10℃までなので誤作動を起こしているのか。ガーミンを充電できる温度範囲は0℃から40℃までなので、ここロシアの氷点下では充電もうまくできないことがある。
アナと雪の女王の世界がここに。白一色の色のない世界を一度走ってみたいと思っていました。それを臨んでわざわざグリーンランドまで行き参加した北極マラソンでは草木や山、風景があり叶わずここに来てようやく実現しました。美しい!
ロードでもトレイルでもない、氷の下は水。陸地ではなく湖の上を走っていると思うと不思議な気分がします。コンディションは毎年変わり、それに伴いゴールタイムも変わります。アイススケートリンクのようにツルツルの氷上を走るのだと想像していましたが、実際は氷上に雪が乗っており一歩足を置くたびシューズが前後に数cm滑るようなコンディション。これがランニング効率を低下させランナーの足を早々と疲れさせました。
スピード感が掴めない。ランナーは周囲の景色が流れることによって自分がどのぐらいのスピードで走っているのかを感じますが360℃見渡す限り建物のない白銀の世界では景色が流れないため、スピード感がまったく感じられない。そのため速すぎたり遅ぎたりペースが乱れやすくなります。そんな時は心拍数計だけが頼りです。
河川敷よりも風景が変わらない。建物一つない河川敷をただひたすらまっすぐ走るイメージ。「直線だったら時間は短く感じられますよね?」といった声もありますが、風景が変わらないので前に進んでいる感じがしません。行けども行けども同じ景色が広がります。面積は3万1500㎢、湖長約600km、最大幅80km。2千年前、地球上の淡水の総量の22%を占める湖の上を走っていると思うと壮大な眺めが楽しめます。走ることに集中できるので簡単に悦に入ることができます。
一番大変なのはトイレでしょう。バイカル湖は世界遺産で“クリーンウォーター”がテーマの自然保護のチャリティマラソンに参加しているのですから「そこらで済ませる」というわけにはいかず。仮にトイレをしようにも、あたり一面物陰は一切なし。道は直線なので遠くからでもよく見え、お尻丸見えです。女性の方は、羞恥心との戦いになります。
フィニッシュ後はタイムや順位は知らされず「頑張ったね〜」で終わり。僕の前には何十人というランナーがいた、その事実を僕が知っているだけで十分だった。男子優勝はポーランド人でタイムは2時間50分の大会新記録。「ロードのフルマラソンの自己ベストは?」と尋ねたら2時間12分。一般市民ランナーにして速すぎる。ロード以外の道を走ったのは今日が初めてだという。やっぱりマラソンでは走ることに惜しみない時間と努力を注ぎこんだものが栄光を手にする。
レース当日の夜は表彰式兼ガラディナーパーティー。1人1人名前を呼ばれ、みんなの前で表彰されます。順位発表は特になく「完走者全員を平等に讃える」という考えらしい。素晴らしい考えだと思いましたが少人数の大会だからできることで、それでも1人1人名前を呼ぶためめちゃめちゃ時間がかかり飲み会は深夜まで延々と続きました。。
アルコール解禁!みんなでウォッカをストレートで10本以上は空けたかな。翌朝フロントには「昨夜レストランで携帯電話を失くしたんだけど…」と駆け込むランナーが大勢いました(笑)【STEP1】無料メール講座で学ぶ
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